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乳児の発達ーハイハイの効用 [乳児の発達]

平成23年11月12日(土)
赤ちゃん8ヶ月~9ヶ月
「赤ちゃんの体と心の発達24カ月」(榊原洋一先生著・主婦の友社)より

はいはいして移動できるようになり、興味のおもむくままに行動半径も広がる
★大部分の赤ちゃんはおすわりが完成する

 8カ月になると、ほとんどの赤ちゃんが、手で支えなくても、背中をのばして安定したおすわりができるようになります。体をねじって後ろにあるものをとろうとしても、倒れません。また、腹ばいの姿勢から、体を起こしてひとりでおすわりすることもあるでしょう。
 これは、脳の神経支配が背骨の末端まできたことを意味しますから、おすわりができるかどうかは、首すわりに次いで、赤ちゃんの運動機能の発達を知るたいせつな目安になります。

 8カ月になると、ほとんどの赤ちゃんが安定したおすわりができるように。

★おすわりとほぼ同時期に、はいはいもできるように

 おすわりによって背骨の末端まで進んだ運動神経の発達が、さらに腰から足へと進むと、今までは両足をそろえて動かすことしかできなかった赤ちゃんも、左右の足を交互に出すことができるようになります。このように赤ちゃんの体の準備がととのって、初めてはいはいができるようになるのです。
 おすわりがしっかりしてくるのと並行して、はいはいも上達し、一般的には生後7~8カ月ごろにはおなかをつけたずりばいでなんとか前進することができるようになります。ただし、これはほんとうのはいはいとは言えません。8カ月を過ぎると、ようやく四つんばいになって足を交互に出すオーソドックスな形のはいはいができるようになります。が、中には四つんばいのスタイルにならず、おすわりの姿勢のまま、おしりですって器用に移動する赤ちゃんも見られます。
 9~10カ月ごろには、はいはいのスピードも増し、ひざを浮かせて足のうらをつけた高ばいを始める子も出てくるでしょう。ただし、赤ちゃんがこのようにはいはいができるようになるためには、体の条件がととのうだけでなく、赤ちゃん自身がみずから移動したいという欲求が必要です。目についたものに興味を持って、あれはなんだろう、さわりたいという気持ちが赤ちゃんをはいはいへと駆り立てるのです。
 「寝返り」「おすわり」「はいはい」は、赤ちゃんの発達の手がかりになる大きな運動ですが、これらは必ずしも育児書に書いてある時期に、しかもきちんと順番どおりにできるようになるとは限りません。
 お母さんに聞いてみると、「うちの子は、おすわりはできるのに、寝返りはまだしないんです」という赤ちゃんもいるし、また、「はいはいを省略して、おすわりからいきなりつかまり立ちを始めました」という声もよく聞きます。
 発達の道筋は「首すわり→おすわり→立って歩く」と進んでいきます。途中の枝道に寝返りとはいはいが位置するのですから、この二つは省略しても、あるいは順序が違っても、あまり問題にはなりません。 はいはいも上達して、自分の意志で自由に移動できるようになります。

★移動が目的だから形はヘンでも気にしないで

 はいはいにはいろいろなタイプがあることはよく知られています。ずりばいしかできなかったり、全くはいはいの気配を見せない場合は、まだはいはいするための体の準備ができていない場合が多いもの。腹ばいにしても動こうとしないときは、おもちゃなどを目の前に置いて、赤ちゃんの興味をひくようにしてあげるのもたいせつです。移動したそうに体をもぞもぞ動かしていれば問題ありません。
 片方の足や腕だけを伸ばしたままはいはいしたりと、はいはいの形がおかしい場合、手足に障害があるのではと心配するお母さんもいますが、これは、赤ちゃんの発達は左右同時に進むのではなく、片方の手足が先に発達して、もう片方が遅れているからだと考えられます。このように左右のバランスがとれていないはいはいでも、やがてはいはいの時期を卒業してつかまり立ちや伝い歩きができるようになると、発達には何の影響もなかったことがわかるでしょう。
 このほか、普通のはいはいをしないまま、いきなり高ばいを始める赤ちゃんもいますし、はいはいではありませんが、おすわりの姿勢のまま、おしりをぴょんぴょん浮かせて移動するという赤ちゃんもいます。
 これらの赤ちゃんのほとんどが、時期が来ればつかまり立ちをちゃんと始めて、普通にあんよができるようになります。はいはいは赤ちゃんにとって移動が目的なのですから、スタイルがどうであっても心配ありません。

★はいはいを全然しないときは、部屋の中を点検して

 このように、実は赤ちゃんの発達の中では、はいはいできなければいけないものでなく、正常な発達の過程の中のいわゆるオプションのようなもの。はいはいを全くしない赤ちゃんでも、将来、足腰が弱くなるというような心配はありません。
 ただ、はいはいをしない赤ちゃんの中には、はいはいをするスペースがなく、はいはいをする機会のないまま、つかまり立ちに進んでしまう場合もあります。また、のんびりとした性格の赤ちゃんは、移動したいという気持ちがあまり強くない場合もあります。はいはいは必ずしなくてはいけないものではありませんが、たまには公園の芝生の上のように広々した場所で腹ばいにしてあげたり、赤ちゃんの喜ぶおもちゃなどを目の前において、はいはいができるきっかけをつくってあげるのもいいですね。うまく前に出られないようなら、足のうらをちょっと押してあげるといいでしょう。


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